【初級者向け】ロマノフ朝について学ぼう!(2)  強烈な女帝ランキング!

ロシア日記

プリヴェート! (こんにちは) chocolatです。
僻地駐在妻(へきち ちゅうづま)やってます。
今回はロシアで300年続いた王朝、ロマノフ朝について紹介します。

ロマノフ家の特徴としては、女帝が強い

300年の歴史の中で特に中盤18世紀は完全に女帝の世紀
存在感がある女帝が4人が統治し、その間の男性皇帝は病弱だったり即位してすぐに暗殺されたりと全く存在感がなかった・・・

今回はロマノフ朝を彩った個性派女帝を勝手にランキングします。

歴代女帝 クセ強すぎ

歴代ツァーリ(皇帝)の系譜はざっとこんな感じ

青字は女帝だし、緑字のフョードル2世とイワン5世の時代も実権は摂政をしていた姉ソフィア
しかも全員それなりに治世を成功させているんだよねぇ。男にはだらしないのが多いけど・・・

  1. ミハエル:いやいやツァーリに。天寿。
  2. アレクセイ・ミハイロヴィチ:宗教改革。天寿
  3. フョードル2世:病弱。姉ソフィアの傀儡。20歳で病死
  4. イワン5世:知能障害(馬鹿のイワン)。姉ソフィアの傀儡。29歳で病死
  5. ピョートル1世:大帝。ロシアを3流国から2流国へ。川に飛び込んでその後に病死。息子を殺害
  6. エカテリーナ1世:大帝の後妻。娼婦から皇帝へ。在位2年。暴飲暴食で病死
  7. ピョートル2世:大帝とその前妻の孫。12歳で即位。14歳で病死
  8. アンナ女帝:馬鹿のイワンの娘。一応天寿
  9. イワン6世:生後2か月で即位。1年後に逮捕、23歳まで幽閉され殺害
  10. エリザヴェータ:大帝とエカテリーナ1世の娘。天寿
  11. ピョートル3世:エリザベータの甥。在位半年で妻が殺害
  12. エカテリーナ2世:旦那を殺害して即位。領土拡大.天寿
  13. パーヴェル1世:ちぐはぐな政治。クーデターで殺害
  14. アレクサンドル1世:対ナポレオンの祖国戦争に勝利。天寿
  15. ニコライ1世:秘密警察の創設。クリミア戦争敗北。天寿
  16. アレクサンドル2世:農奴解放などの改革。市民により暗殺
  17. アレクサンドル3世:改革にブレーキ。アルコール摂取過多で逝去
  18. ニコライ2世:日露戦争敗北。不運続き。一家全員殺害

強烈な女帝ランキング

ロマノフ朝の中盤の発展を支えた女帝の中で、強烈な女帝を勝手にランキングしたよー

第1位 エカテリーナ2世 努力家賢帝

まず出自としては生粋のドイツ人、ロマノフ家の血は一滴も入っていない完全な外様
しかも外見にも恵まれず、政略結婚した皇太子でのちの皇帝ピョートル3世から愛されず

それでもめげずに、ロシア語を学び、ロシアの伝統を理解し、自らをロシア化して軍や宮廷内に味方を増やす

皇帝に即位した旦那ピョートル3世が自分を排除しようと動きを察知し、逆にクーデターを起こし旦那を逮捕。
そしてその日のうちに殺害して、自らが女帝になった。

彼女の治世は34年にわたり、栄光に満ちていた

外交に関しては天敵トルコに勝利し領土を拡大、さらに隣国ポーランドをプロイセン・オーストリアと組んで分割して分捕る

芸術面では、現エルミタージュ美術館の収蔵品の大部分はエカテリーナ2世の時代にまとめ買いしたものだよね

ピョートル大帝はロシアを3流国から2流国に押し上げたけど、
エカテリーナ2世は2流国から1.5流国くらいまで地位向上させたね
のちにアレクサンドル1世がナポレオンを破って、1流国の仲間入りをする基礎を作ったよね

一方、私生活は奔放で、愛人300人とも言われて、しまいには自分の孫に「玉座に座った娼婦」と言われる始末。
300人は大げさだけど、一応確認されているだけでも愛人は21人
一晩をともにした数なら100人超
その中でも軍人ポチョムキンとはかなりの真剣恋愛で1000通を超えるラブレターが残っているんだよね。
意外に可愛いとこもあるね

で肝心の世継ぎなんだけど、もともとピョートル3世との夫婦仲は冷え切っていて、子供ができる雰囲気もない
ピョートル3世は堂々と愛人を作る始末
結婚9年目にやっと男児が生まれるが、当時エカテリーナ2世にもセルゲイ・サルトゥコフ伯爵という愛人がいたので、愛人との間の子供と宮廷中の噂になった

でも、時の女帝エリザヴェータは、実の父が誰であるかを気に留めるでもなく、とりあえずピョートル3世とエカテリーナ2世との間に男児が生まれたということを大喜び!
エリザヴェータがピョートル3世の息子と認めたということで、大事にならず、生まれた赤子は皇太子となり、のちにパーヴェル1世として即位するんだよね

でも、もしパーヴェル1世の父がエカテリーナ2世の愛人だったとすると、
父・母ともにロマノフ家の血をひかない子供になるので、この時点以降はロマノフ家の血が入っていない皇帝になるね

真実は誰も知らないけど・・・

第2位 エリザヴェータ 絶世の美女帝

絶世の美女で未婚のままロシア皇帝になった女帝
1日3回ドレスを着替え、自分より美女は大嫌いという美のカリスマ

まず出自はピョートル大帝とその後妻エカテリーナ1世の間に生まれた次女
でも姉アンナとエリザヴェータは、母エカテリーナ1世がピョートル大帝の愛人時代の子供なので庶子扱い

ピョートル大帝は後継を決めずに崩御し、次は母のエカテリーナ1世が即位するも2年で崩御
その後は後継者争いの渦に巻き込まれる

当初まだ18歳で、後ろ盾の母もいなくなったエリザヴェータはすぐに行動を起こさず、じっと耐え、自分の番が来るのを待った
これが彼女のエライところ

アンナ女帝には服従の意を示しつつ、軍や宮廷で味方を増やし、アンナ女帝が崩御し、赤子のイワン6世が即位するや否やクーデターを起こしみごと戴冠!

後にエカチェリーナ2世はエリザヴェータの事を”着飾ることにしか興味がない女帝”と酷評を残しているけど、
意外にも敏腕な政治手腕を発揮していて、その治世は20年にもおよび内政も外交も安定
銀行やロシア大学を開設したり地方行政を立て直したり国内を安定させ、
その一方、フランス・オーストリアと同盟し、一時ベルリンを占領するほどにプロイセンを追い詰めた

でもやっぱり彼女の最大の功績はエカテリーナ2世を発掘したことかな
小柄で美人とは言えないパッとしない彼女を見つけて、皇太子妃にした
後にヨーロッパでも指折りの賢帝といえる少女を見つけてきたのが結果論だけどあっぱれだね

第3位 エカテリーナ1世 宝くじ当たった幸運帝

女中から娼婦になり、皇帝妃からロシア初の女帝になったラッキーガール

まず出自はバルト海沿岸の小さな町の貧しい小作農の娘
両親がペストで亡くなったので、ドイツ人牧師の女中に
その後スウェーデンの兵士と結婚するも彼はすぐに戦死
仕方がないので、ロシア軍に従軍しておそらく娼婦をしていたらしいとの噂
魅力的な彼女は、ピョートルの右腕ともいえるメンシコフに見初められ彼の愛人に
さらにメンシコフの家を訪ねたピョートル大帝の目に留まり、ピョートル大帝の愛人になった

ここまででもスゴイのに、更にピョートルは大貴族出身の正妃を修道院に幽閉し一方的に離婚
このエカテリーナ1世と再婚してしまう

そして極めつけはピョートル大帝の崩御ののち、後継者となるべく長男はすでにピョートル大帝に殺されており、孫はまだ9歳だったこともあり、ピョートル大帝の妻である彼女がロシア初の女帝に即位した

もちろん、これは宮廷内おパワーゲームもあって、彼女の元愛人のメンシコフが自分の言いなりにできるであろう彼女の即位を画策した

即位したエカテリーナ1世は、愛人を作り放題、暴飲暴食し放題の好き勝手な女帝ライフを楽しんで2年であっさり崩御

それでも全くの愚帝ってこともなく、メンシコフのサポートも受けながらも、夫ピョートル大帝がやり残したいくつかの政策を実行に移した
更に、長女アンナをドイツの名家ホルシュタイン・ゴットルプ公と政略結婚させ、ピョートル大帝が望んだ西欧とのパイプ作りに成功する

自ら政治に熱心ではないものの、最低限の女帝としての務めは十分果たし、その一方で好きの事を好きなだけできたんで幸せな女帝だね

第4位 アンナ 遊び惚け女帝

少年皇帝のピョートル2世があっさり天然痘で崩御したあとに白羽の矢があたったのがこのアンナ

まず出自は姉ソフィアの傀儡だった知能障害の皇帝、「馬鹿のイワン」ことイワン5世の娘
ソフィア一派が没落後に、バルト海沿岸の辺境の貴族に嫁いだものの、旦那は死去
既に37歳でブクブクに太り、辺境で貧しい生活を送り、ロシアとの縁もほぼ切れ、完全に帝位争いからは忘れ去られた存在だった。

なぜそんなアンナに白羽の矢が当たったかといえば、
この貧しくて、子供もいなくて、何の後ろ盾もないアンナであれば傀儡として操れると思った貴族たちがお飾りとして指名したんだよねぇ

ところがこのアンナは”馬鹿のイワン”の娘ながら馬鹿ではなかった
即位するや否や自分を操り人形として指名した貴族たちを次々とシベリア送りや修道院幽閉送りにし、邪魔者を一掃

自分が信用できるドイツ人を重用し、政治を進める

彼女の治世にイギリスとの通商条約や締結されたり、鉄鋼生産が倍増したりとそれなりに成果のあったんだよね

でもアンナ自身は政治に興味がなく、これは重用した優秀なドイツ人たちの行政手腕によるもの
まぁ優秀な部下に一任するスタイルは、部下を見る目があれば問題ないよね

アンナは飲む買う打つの遊びまくり生活
この辺りは貧乏生活から女帝になったエカテリーナ1世とかぶるね

晩年はベッドから起き上がるのも面倒ということで、横になったまま道化師を部屋に呼んで芝居をさせる毎日

飲み食いし放題、ベッドから動かないという不健康な暮らしで当然病弱になり最期は腫瘍でなくなるんだけど、意外にもエカテリーナ1世のように2年でポックリってことはなくて、10年間も帝位にいた

まぁエカテリーナ1世同様、ラッキーパンチで皇帝になって、政治は任せて遊び惚けるっていう幸せな人生だよね

番外 ソフィア 強烈なお姉ちゃん摂政 

皇帝には即位していないんで番外だけど、間違いなく政治手腕抜群の強烈姉ちゃん

まず出自は前帝アレクセイ・ミハイロヴィチの前妻の娘として生まれる
同じく前妻との子供としては、のちに皇帝となる病弱フョードルと馬鹿のイワンがいて2人にとっては怖いお姉ちゃんって感じ
一方、前帝の後妻の息子としてはピョートル大帝がいる

前帝が崩御した時に、前妻サイドVS後妻サイドに分かれて後継者争いが勃発

当初は前妻サイドが勝利するも当時はまだ女性のソフィアが帝位につくのは世間が許さず
病弱な弟フョードルが皇帝になり、ソフィアは摂政として実権を握る

フョードルが亡くなった後も、馬鹿のイワンの摂政として実権を握る

彼女の治世は合計7年
ポーランドや清と平和条約を締結するなど、手腕を発揮したことでソフィアは周りからも評価され実権を維持

最後は、18歳になりメキメキと力を付けたピョートル大帝との腹違い兄弟間の争いに敗れ幽閉されるもの、のちに”皇帝って女性でもいんじゃね”的な空気を作ったのは間違いなくソフィアの功績だよね

おススメの書籍

「名画で読み解く ロマノフ家 12の物語 (光文社新書)」

私がロシアにきて、ロマノフ家に興味をもって最初に読んだ本

わかりやすくて初心者向けだよ

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